オスモカラーの塗り方と塗装サンプル画像

これまで水性ニスとワトコを試しましたが、どうしても手が出せなかった塗料があります。それがオスモです。その理由は・・・高い(と思った)からです。

オスモとは

オスモはワックスです。木材に塗装すると、木材に浸透しつつ硬化します。木材に色をつけるだけではなく、傷や水分等から表面を保護するのです。Osmo Cans実際に塗装した木材を比較して感じた事は、オスモはワトコと水性ウレタンニスのいいところ取りだと言う事です。ワトコは木材の感触を残す事が出来ますし、水性ウレタンニスは表面をしっかり保護することができます。オスモには両方の性格があるように思います。

オスモはトロトロ

オスモはトロトロしています。特に固まっていませんでしたが、念のためかき混ぜました。気温は12℃ほどでした。香りは靴墨にそっくりです。塗装した感じもトロトロの靴墨です。

Syrupy Osmo各塗料の価格比較

価格を比べてみました。

塗料 内容量 実勢価格 塗装可能面積
(1回塗り)
100mlあたりの価格 1m2あたりの価格
ワシン 水性ウレタンニス 130ml 1000円 2.8m2 770円 360円
ワシン ポアーステイン 130ml 500円 2~3.5 m2 500円 143~250円
オスモ 375 ml 4000円 7.5m2 1066円 533円
ワトコ 200ml 1000円 3m2 500円 333円

これらの商品をそのまま比べるのには無理があります。完成後の性格(手触りや色合いなど)は違いますし、ワシンには300mlもあるので、そちらで比較すれば安くなります。こうして売場ではなく家で落ち着いて(?)比べてみると、思ったほど高くないですね。(^^;;;

塗り方

缶には「1回塗りで仕上がります」としか書かれていませんが、メーカーのページと実際に試した結果、以下の手順がいいかと思います。

  1. 表面研磨する
  2. オスモを刷毛で塗装する
  3. 20分放置する
  4. オスモを拭き取る
  5. 12時間乾燥させる
  6. 表面を整える

さらに綺麗に仕上げるため、以下の手順を追加しました。

  1. オスモ ノーマルクリアー(エキストラクリアーではありません)を塗装する
  2. 20分放置する
  3. オスモを拭き取る
  4. 12時間乾燥させる
  5. 表面を整える

では各ポイントを説明します。

表面研磨する

木面をよく研磨してください。ワトコを塗った時は240番で研磨しましたが、それは後工程でウエット研磨するからです。オスモは1回塗りですので、表面研磨がとても重要です。

私は最終的に400番の空砥ぎやすりで研磨することをお勧めします。やすりと番目については「ド素人の木材塗装その2 ワトコでオイルフィニッシュ」を見てください。

オスモを刷毛で塗装する

オスモは刷毛で塗る必要があります。刷毛は油性用です。 Brush for oil paint写真の刷毛は大きすぎました。刷毛については今後改めて書きたいと思います。

私は最初ウエスですり込むように塗っていましたが、後で見ると塗装がまだらになっていることがありました。オスモのサイトには多くの情報がありますので、始める前に読んでみてください。塗り方で重要なのは以下の情報だと思いました。

刷毛塗りが基本です。 (中略) 家具などの場合、よくすり込んで塗装すれば塗装後の拭き取りは不要です。 (中略) 必要に応じて乾燥後オスモパッド(スチールウール#000)などで塗面研磨をするとツルっとした塗面ができます。 – Osmo Color よくある質問 A01

他にもありました。

塗装には刷毛(筋違い刷毛推奨)、またはオスモコテバケをお使いください。布にしみこませて塗ると、布が塗料を吸収してしまい肝心の木材に十分な塗布量がのらず、耐久性の悪い塗装になりかねません。 – Osmo Color よくある質問 A19

オスモを拭き取る

先ほどのよくある質問A01には「塗装後の拭き取りは不要」と書かれています。しかし私は塗装後の拭き取った方がいいと思います。その理由はオスモを均一に塗るのが難しいからです。

オスモはトロトロしています。そのため塗料がなかなか広がりません。私は当初1回塗りするつもりだったため塗装後の拭き取りをしませんでしたが、塗装後によく見ると表面の色合いと光の反射具合が偏っていました。

12時間乾燥させる

オスモカラーの乾燥時間は約12時間(20℃)。 – Osmo Color よくある質問 A07

表面を整える

オスモが乾いたらやすりで研磨します。研磨というよりも「拭き取る」という言い方が適切です。なでるように1、2回拭いてください。感触がただちになめらかになります。そしてそれ以上続けないでください。続けてしまうと塗装まで削ってしまいます。

ノーマルクリアー塗装前の研磨の場合は400番で、ノーマルクリアー塗装後の最終仕上げは400~1500番のいずれかのやすりで研磨します。

備考 プロのやすりがけは1500番

ある家具工房で木片が販売されていたので購入しました。その木目に明かりを照らすと鏡のように反射しました。これがプロの仕事なのですね。Professional-Sanding

この木片は1500番でやすりがけされているようです。2000番で木片を研磨するとより光を反射しましたが、1500番では変化がなく、1000番では反射が鈍くなったからです。

先ほど400~1500番のいずれかと書きました。どの番目にするのがよいか、特に正解はないと思います。400番は木材に触れている感覚がありますし、1500番はツルツルしていて人工的ですが高級感があります。

オスモ ノーマルクリアーを塗装する

ノーマルクリアーを塗装すると、色に深みが増し、耐久性も向上します。ノーマルクリアーを塗らないと木材の良さが全く出ないばかりか、日曜大工っぽいチープな出来となってしまいます。

【2015年5月7日追記

オスモ ノーマルクリアーをブナに2回塗装すると、2回目の塗装面がはがれました。

Osmo Normal Clear Beech Coated

Osmo Normal Clear Beech Coated

ウエスでこするとボロボロとはがれます。はがれるのは2回目の塗装面だけです。1回目の塗装面は残ります。

  • 1回目の塗装でオスモが木材に十分吸収され、丈夫な塗膜が形成されたため、2回目はその塗膜にはじかれた
  • オスモ ノーマルクリアーのみ保護作用が強い
  • ブナは塗料をよく吸収するため、保護作用がより働いた

・・・のだと思います。理由がわかりましたら更新します。

 

 

塗装サンプル画像

以下の組合せで検証しました。

木材と塗料 3101
ノーマルクリアー
3164
オーク
3163
ウォルナット
3161
エボニー
SPF 1 8 15 22
白ラワン 2 9 16 23
赤ラワン 3 10 17 24
ナラ 4 11 18 25
カバ 5 12 N/A N/A
ブナ 6 13 20 27
クルミ 7 14 21 28

塗装後2, 3時間後、1日後、1週間後を検討しました。結果から言うと時間経過による違いは写真ではわかりません。匂いと湿り気が違うだけです。なのでサンプル画像は塗装前と塗装後2, 3時間後の2つを載せました。

各画像の塗装手順は

  1. 表面研磨する
  2. オスモをウエスで塗装する
  3. 2, 3時間放置する

です。先ほどと手順が違います。正しい手順は先ほどのものです。写真を取る時は間違っていたのです。写真で色合いを確認するには問題ないと判断しましたので掲載しました。この手順の問題についてはエボニーの白ラワンを見てください。

オスモ 3101 ノーマルクリアー

どの木材においても、色が少し濃くなるようです。

SPF

Osmo 3101 Normal Clear Before Osmo 3101 Normal Clear After

塗装後は光を反射するようになりました。Osmo 3101 Normal Clear Reflection柔らかい木材は塗料の吸い込みが不均等になりがちです。きっとこの反射はよく吸い込んだ部分なのでしょう。詳しくは「ド素人の木材塗装その2 ワトコでオイルフィニッシュ」の「素材の良さを生かす」を参照してください。

白ラワン

Osmo 3101 Normal Clear White Lauan Before Osmo 3101 Normal Clear White Lauan After

赤ラワン

Osmo 3101 Normal Clear Red Lauan Before Osmo 3101 Normal Clear Red Lauan After

ナラ

Osmo 3101 Normal Clear Oak Before Osmo 3101 Normal Clear Oak After

カバ

Osmo 3101 Normal Clear Birch Before Osmo 3101 Normal Clear Birch After

ブナ

Osmo 3101 Normal Clear Japanese Beech Before Osmo 3101 Normal Clear Japanese Beech After

クルミ

Osmo 3101 Normal Clear Juglans Before Osmo 3101 Normal Clear Juglans After

オスモ 3164 オーク

どの木材においても、色が少し濃くなるようです。少し黄色い色合いにもなるようです。

SPF

Osmo 3164 Oak SPF Before Osmo 3164 Oak SPF After

白ラワン

Osmo 3164 Oak White Lauan Before Osmo 3164 Oak White Lauan After

赤ラワン

Osmo 3164 Oak Red Lauan Before Osmo 3164 Oak Red Lauan After

ナラ

Osmo 3164 Oak Oak Before Osmo 3164 Oak Oak After

カバ

Osmo 3164 Oak Birch Before Osmo 3164 Oak Birch After

ブナ

Osmo 3164 Oak Japanese Beech Before Osmo 3164 Oak Japanese Beech After

クルミ

Osmo 3164 Oak Juglans Before Osmo 3164 Oak Juglans After

オスモ 3163 ウォルナット

木材の色に性格が出るようになります。

SPF

Osmo 3163 Walnut SPF Before Osmo 3163 Walnut SPF After

木目に沿って汚れがついたように私には見えます。

白ラワン

Osmo 3163 Walnut White Lauan Before Osmo 3163 Walnut White Lauan After

赤ラワン

Osmo 3163 Walnut Red Lauan Before Osmo 3163 Walnut Red Lauan After

私好みの仕上がりになりました。

ナラ

Osmo 3163 Walnut Oak Before Osmo 3163 Walnut Oak After

カバはありません。 (材料を使い切りました・・・)

ブナ

Osmo 3163 Walnut Japanese Beech Before Osmo 3163 Walnut Japanese Beech After

SPFと同じ現象が起きました。柔らかい木材なので仕方ないのでしょう。あまり好きではない色の乗り方です。

クルミ

Osmo 3163 Walnut Juglans Before Osmo 3163 Walnut Juglans After

クルミも軟質材なので吸い込みにムラがあるのですが、SPFやブナとは異なり、なぜか気になりませんでした。

オスモ 3161 エボニー

色が相当変わります。見ての通りです。

SPF

Osmo 3161 Ebony SPF Before Osmo 3161 Ebony SPF After

私には耐えられないグラデーションです。美しくないと思います。しかし、カントリー風という見方もあります。もし周りの家具や背景がカントリー風であれば、この塗装もなじむと思います。

白ラワン

Osmo 3161 Ebony White Lauan Before Osmo 3161 Ebony White Lauan After

塗装後、左右の端が白くなっています。これはウエス塗りをしていたため塗料が十分に乗らなかったためです。実は他のサンプルもウエス塗りがほとんどですが、特にこのサンプルは目立っています。このような問題は刷毛塗りすれば起こりません。

赤ラワン

Osmo 3161 Ebony Red Lauan Before Osmo 3161 Ebony Red Lauan After

これが私の好みです。

ナラ

Osmo 3161 Ebony Oak Before Osmo 3161 Ebony Oak After

カバはありません。 (材料を使い切りました・・・)

ブナ

Osmo 3161 Ebony Japanese Beech Before Osmo 3161 Ebony Japanese Beech After

クルミ

Osmo 3161 Ebony Juglans Before Osmo 3161 Ebony Juglans After

中央部に傷が入っています。塗装前にも傷があったはずですが見えますか?私は見えません。(^^;

2018/1/21 追記

アガチスに塗装してみました。アガチスには白っぽいものと赤っぽいものがありましたので、それぞれ検証しました。

白アガチス

[左]オーク / [右]ノーマルクリアー

[左]エボニー / [右]ウォルナット

赤アガチス

白アグチス [左]オーク / [右]ノーマルクリアー

[左]オーク / [右]ノーマルクリアー

[左]エボニー / [右]ウォルナット

 

もし本記事に興味、ご関心があれば、ぜひ「塗装」の記事一覧を見てください。例えばこんな記事があります。

  •  ステインと水性ウレタンニスの塗り方
    との粉、ステイン、水性ウレタンニスの塗り方です。サンプル画像を多く載せつつ、手順と注意点を整理しました。
  • ド素人の木材塗装その2 ワトコでオイルフィニッシュ
    私は塗料売り場でたまたまワトコのオイルフィニッシュを目にしました。オイルフィニッシュという名前が職人っぽく、職人っぽければ仕上がりもいいだろう、という安易な考えで購入してみました。
  • ド素人が木材塗装を始める
    Raspberry Piや調光器のケース加工をするうちに、もっと身近な素材、すなわち木材でもケースが作れれば便利だと思うようになりました。また今後は家具を作ってみたいとも思っています。そんな訳でまずは木材塗装について勉強することにしました。

 

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