難解な日本語

これまで8つの言語を勉強しましたが、日本語は最も難解だと思います。

日本語には2つの言い方があります。標準的な言い方と親しい間柄での言い方です。標準的な言い方は文語を基本としています。親しい間柄での言い方はくだけた動詞活用とスラングを基本としています。標準的な言い方には3つの「オプション」があります。尊敬語、謙譲語、丁寧語です。尊敬語と謙譲語は動詞活用を変えることにより作られます。いくつかの動詞は尊敬語と謙譲語用の動詞が別にあります。意味は全く同じです。 丁寧語は動詞活用を変えるだけです。私を含め、多くの日本人はこれらを間違えますし、そもそも違いをよく知りません。

標準的な言い方を使うのはニュースキャスター、ロボット、コンピューターです。フォーマルなのですが、あまりフレンドリードリーではありません。初めて会う人同士は、誰が年上か、誰がお金を払うのかなどに応じて3つのオプションを使いながら標準的な言い方を使うべきです。

親しい間柄での言い方は、お互いをよく知っていて、いわゆる友達同士で、かつ年齢があまり離れていない場合に使われます。

日本発着の飛行機内で、日本語を勉強したアテンダントの人が機内放送を行うとき、その人の同僚がよく「あの人の日本語は上手ですか?」と聞いてきますが、これはどう答えたらいいのか難しいです。とりあえずは上手ですよ、と笑顔で答えるのですが、その人は正確な日本語を英語なまりで話すのです。申し訳ないのですが、ロボットのように聞こえます。もし日本人を「真似する」のであれば、標準的な言い方を日本語なまりで発音し、かつ3つのオプションを間違えて使わなければいけません。(笑)

職場ではもっと複雑です。私が入社した時、私は数人の先輩よりも2, 3歳年上でした。なのでどう話していいのかわかりませんでした。私よりも若いのですが、私よりも社歴があるのです。

同じ部署にいた2歳年下の女性と一緒に帰宅したときの事は今でもよく覚えています。その人と私は帰る方向が同じだったのですが、ある日たまたま一緒に帰宅することになり、話をしていくと、同じ学校の出身だったことがわかりました。なので敬語を使わなくてもいいかどうか聞いてみました。すると「えっ、・・・いいよ。別に気にしないから」。と言われました。ただその人の顔は普通ではなかったので、聞いてはいけないことを聞いてしまったんだなと思いました。それ以来、相手の年齢や社歴を知らない限り、私は相手が誰であろうと標準的な言い方にオプションをつけて話すように決めました。

ところで、私は1度だけ自分より年上の新人がいたことがあります。私は親しい間柄での言い方をしていますし、彼が親しい間柄での言い方をしても気になりません。むしろ私がそう頼んだかと思います。

参考にどうぞ。 三省堂 ことば百科 尊敬語、謙譲語、丁寧語の表があります。

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