普段は語られないインターネットの特徴

普段は利便性が真っ先に語られるインターネットですが、その側面について考えたことはありますか?普段は語られないインターネットの特徴をあげてみました。

インターネットが生活に欠かせないものとなってから10年以上が経過しました。インターネットは社会の仕組みすら変えると言われていたが、最近はやや落ち着いてきたようにも思えます。私は1996年からインターネットを利用していますが、当初よりある懸念がありました。その懸念は現実のものとなりました。

懸念とは情報の新旧がごちゃまぜになる事です。私が最初に作成したのは近所にあるラーメン屋の記事です。そのラーメン屋がいつまで存在しているかは誰にも保証できません。またメニューや値段も変わります。それだけではありません。作成した本人すらそのページの存在を忘れることもあります。当時はまだブログやCMSという仕組みがなかったので、ファイルが存在するかどうかを確認したり、ページの一覧を作ったりして、自分でページを管理する必要があったのです。

私の懸念の本質は書かれた内容はいつまでも残るということです。私はホームページを作成していてふと思っいました。「このページはいつまで残るのだろう?」 ホームページを作成するにあたり、ページに有効期限を指定する必要はありません。ホームページを作成するにはプロバイダと契約するのが一般的なので、有効期限は 契約が切れるまでとは言えるかもしれませんが、逆にいえば契約を更新している限りホームページが自動的に消滅することはないのです。

普段は利便性が真っ先に語られるインターネットですが、その側面について考えたことはありますか?普段は語られないインターネットの特徴をあげてみました。

  • 作成者にしか更新・削除できない (自分に都合が悪い内容であってもどうしようもない)
  • いつ作成されたのかわからない
  • 真実かどうかわからない
  • 作成者が誰かわからない
  • そのページがいつまで表示できるかわからない (ある日突然なくなるかもしれない)
  • あなたの情報が作成者に伝わる
  • その情報をあなたが削除できない
  • その情報を作成者が漏えいさせたり紛失したりする可能性がある
  • 表示するページは作成者の自由である (あなたにだけ見せたりあなたにだけ見せなかったりできる。ページの一部分だけを見せたり全体を見せたり、一部分だけ変えたりと、自由自在である。)
  • 作成者が第三者の情報をあなたに表示させる (広告が出る)
  • あなたが広告を表示させた事が広告主に伝わる

ここではいわゆる「善意に基づく」ホームページの特徴だけあげています。「悪意に基づく」あるホームページとは、不正な技術を使用しているホームページです。

「善意に基づく」人であっても、広告を表示することで収入を得ている人もいます。ましてや広告を表示させた事が広告主に伝わるとは思っていない人もいるでしょう。ここにインターネットの情報が無料にできる仕組みがあるのです。

こういった特徴が世間一般に浸透しているとは到底思えません。インターネットは色々な情報を無料で提供してくれるフレンドリーなものだと思っていた人はよく考えてみてください。あなたも色々な情報を提供しているのです。しかもその情報はあなたの判断でブロックできません。あるページに広告があった場合、その広告を表示していいかどうか、その都度判断できないからです。ホームページへアクセスした瞬間からあなたも色々な情報を無料で提供しているのです。

あなたが提供している情報

2015年4月13日追記

あなたが提供している情報とは、ブラウザーがアクセス先のコンピューターへ送信するデータ全てです。こんなものがあります。

  • アクセス日時
  • IPアドレス
    IPアドレスから都道府県がわかります。
  • ブラウザーとOSの種類
    使っている機種がWindowsなのかiPhoneなのかという事がわかります。
  • 検索ワードと検索サイト
    どのような検索ワードを使ってページへたどり着いたのか。例えばYahooで「ラーメン」を検索してラーメン屋のページを見つけた場合、あなたがYahooを使ったことと、「ラーメン」という言葉を使って検索した事を、そのラーメン屋がわかります。

都道府県がわかる、といっても、この程度ですので安心してください。

ip_and_location東京からアクセスしている、という位しかわかりません。

こういった情報はサーバーの記録を解析しなければわかりません。ラーメン屋はどこかのブログサイトに記事を載せているのであれば、そのブログサイトを稼働しているサーバーの記録を解析しなければわかりません。あれ、と思いませんか?あなたは誰に情報提供しているのでしょうか。それはブログサイトです。ラーメン屋ではありません。それどころか、ラーメン屋はお金を払ってブログサイトから解析結果を購入しているかもしれません。またラーメン屋以外の業種の人がマーケティングのためにお金を払う事もあるでしょう。このような情報の売買のおかげでブログサイトは無料にできるのです。広告収入だけだと思ったら大間違いです。

もし本記事に興味、ご関心があれば、ぜひ「思ったこと」を見てください。例えばこんな記事があります。

  • OpenSSLのHeartbleed問題で考える情報リテラシーと真実
    OpenSSLに致命的なセキュリティー脆弱性「Heartbleed」が発見されました。メディアの記事が正確性に欠け、いかにしてデマが広がるのか – 我々の情報リテラシーが問われています。
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    「8月は暑い?寒い?」と聞かれたらどう思うだろうか。我々は知らないという事を知らない。それが故に思い込み、恐れ、善悪を定義するのだ。
  • 「まぜるな危険」 – 製品表示は真実の一部分にすぎない
    製造者は自分たちが危険だと思うことを警告する事はあっても、利用者が危険性を判断できるよう、必ずしも考慮しているとは限らないし、むしろ警告すべき事を必ずしも警告しているとも限らない。

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