ド素人がRaspberry Piで電子工作を始める

ラズベリーパイ財団が制作した、タバコの箱サイズのパソコン「Raspberry Pi」は、私をパソコンから電子工学へ橋渡ししてくれる存在となりました。基板やコネクタに群がるゾンビにしてしまったと言った方が正確かもしれませんが(笑)。

たまたまパソコン雑誌を見ていて気になった記事がありました。たった4,000円のパソコンが売られているそうです。しかもそのパソコンにはGPIO (General Purpose Input/Output)という端子があり、パソコンから他の電子機器を操作できるようになると書かれていました。

Raspberry Pi (以下ラズベリー)は教育目的で開発されたパソコンです。ラズベリーはCPU、メモリ、LANコネクタ、USBポートを2つ、そしてHDMI端子を内蔵してます。HDMI端子を使って家庭用テレビをモニタとして使います。ハードディスクはないのですが、代わりにSDカードを使います。SDカードにRaspbianというOSをインストールできます。Raspbianにはデスクトップ環境まであるので、マウスを使ってインターネットすることもできます。USBキーボードとマウスが使え、インターネットもできる「今時の」パソコンが、たった4,000円で手に入るのです。これは驚きました。

私はパソコンを随分と使ってきました。でも電子工作はド素人です。奇妙な電子部品やジャンク品の山に群がる秋葉原のオタクの人達とは無縁でした。はっきり言って彼らが何に、そしてなぜ群がっていのか、よくわかりませんでした。私は数学も物理も全くできず、電流、電圧、抵抗、オームの法則の意味もよくわかりませんでした。それでも理系の大学へ進みました。パソコンの勉強をしたかったからです。大学では大変苦労しました。数学と物理の講義はまず赤点で、多くの講義を2回受けるはめになりました。

秋葉原の老舗「秋月電子」

秋葉原の老舗「秋月電子」

秋葉原の老舗「千石電商」

秋葉原の老舗「千石電商」

どこかの売場

とある売場

何が何だかわかりますか?(^^;

ラズベリーは私をパソコンから電子工学へ橋渡ししてくれる存在となりました。基板やコネクタに群がるゾンビにしてしまったと言った方が正確かもしれませんが(笑)。

ではラズベリーについてレポートしたいと思います。検索してもあまり出て来ない情報だけ書きたいと思います。

私は以下のサイトからラズベリーを購入し、問題なく届きました。

Raspberry Pi store from RS Components (http://raspberrypi.rsdelivers.com)

日本国内でも店頭や通販で販売されているようですが、2,000円程高いようです。

2014年1月11日追記: 最近では秋葉原で販売されており、価格も上記サイトと変わりません。むしろ秋葉原の方が安いような気もします。詳しくはRaspberry Piを秋葉原で購入する方法 (販売店情報)を見てください。

購入品一覧

購入品一覧

SDカードの作成方法を検索し、もし不安なら同時購入をお勧めします。電源アダプタは5V2Aのもので、形状はMicro USBです。右も左もわからなかったため念のため購入しましたが、今となっては互換品で問題なかったと思います。

ケースは購入すべきだと思います。むき出しのまま使っている人が多いようですが、真似すべきではないと思います。見栄え良さや、ほこりやダメージからラズベリーを守るためだけにケースを買うのではありません。自分が作ったプログラムや電子機器が動かない時、ラズベリーが壊れているかいないか検証せずに済むようになるのです。なお、電源ランプは基板上にあるため、透明のケースでなければ見えません。

届きました。

届いた小包

届いた小包

商品はなぜかドイツから発送されていました。

ラズベリーパイ

ラズベリーパイ

電源にスマホ充電電池も使えます。電池でパソコンが動くなんて信じられません。

電池で動作するラズベリーパイ

電池で動作するラズベリーパイ

ただしUSB接続する機器の電気使用量によってはラズベリーの電源が切れます。無線LANアダプタは駄目でした。電池を使うときには無線LANをあきらめて有線LANを使うか、電池をあきらめてACアダプタと無線LANを使うか、電池を改善したり交換したりするか、等の対応が必要ですね。

ラズベリー起動後 (CUI)

ラズベリー起動後 (CUI)

ラズベリー起動後 (GUI)

ラズベリー起動後 (GUI)

ここからは日経Linux 2013年3月号を参考に作業を進めました。まずはLED点灯を試してみました。

記事ではラズベリーの基板がむき出しになっており、かつはんだづけ作業を行っています。私はラズベリーからGPIOを取り出すことにしました。秋葉原のあるお店で話をすると、それならフラットケーブルがいいのでは?と言っていただき、圧着までしてもらえました。

初期の様子。

初期の様子

これはそこそこいいアイデアでしたが、先端同士が触れるとショートしてRaspberry Piの電源が切れます。そこで絶縁テープ(画像の白いテープ)を付けてみたのですが、テープが落ちたりくっついたりで、うまくまとまりません。結局端子側も圧着しました。

端子側も圧着した後

端子側も圧着した後

日経Linuxにはこの図面が掲載されていましたが、まったく意味がわかりませんでした・・・。

回路図

回路図

とりあえず紙面をお店の人に見せ、必要なものを選んでもらいました。「抵抗、電圧、電流の意味がわからない」と言うと、商品を選んでくれました。ビギナーはお店が混んでない時に買物するといいですね。

実回路

実回路

 

回路図を基に回路を作るのは簡単です。回路図に書かれている通りにパーツをつなげればいいのですから。でも、どのように配置したら綺麗でわかりやすく、すっきりするのかを考えると結構悩みました。

この白いマス目状の道具は、ブレッドボードとかソルダレスボードとか言います。電子部品をはんだづけせずに刺したり抜いたりでき、とても便利です。なお、ソルダとははんだづけの事です。はんだづけは不要なので、正しくはソルダレスではなくソルダフリーでしょう。

ここで思ったのは、ブレッドボード上の回路はプログラムに似ているということです。LEDやトランジスタを関数と考え、1番上から順番に関数を呼び出すと考えてみてください。私はこれに気付いた時に、これまで点と点だった情報工学の知識と電子工作がつながったように感じました。また、縦置きのブレッドボードの方が横置きよりも使いやすいと感じました。

次に以下のプログラム(というよりもスクリプト)を実行しました。

#! /bin/bash

if [ ! -x /sys/class/gpio/gpio17 ]; then
echo "17" > /sys/class/gpio/export
fi

echo "out" > /sys/class/gpio/gpio17/direction

while true; do
echo "1"
echo "1" > /sys/class/gpio/gpio17/value
sleep 1
echo "0"
echo "0" > /sys/class/gpio/gpio17/value
sleep 1
done

これだけでLEDが1秒置きに

LED ON

LED ON

LED OFF

LED OFF

を繰り返します。

ただのLED点灯です。まだまだ始まったばかりです。(^^;

もし本記事に興味、ご関心があれば、ぜひ「ラズベリーと電子工作の記事一覧」を見てください。例えばこんな記事があります。

  • ド素人がRaspberry Piで電子工作を始める
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  • Raspberry Piで電子工作 その2
    電流、抵抗、電圧の意味がわからず、アキバのパーツ屋で買物すらできなかった私。勉強のためにお金をつぎ込んだ結果、だんだんと意味がわかってきました。
  • Raspberry Piでの電子工作にあたって購入した道具
    ラズベリーで電子工作を始めて4ヵ月が経ちました。勉強を進めるにあたり、本や電子パーツ、道具など、必要に応じて購入する必要がありました。今日は私がラズベリー以外に購入した道具を紹介します。

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