Raspberry Piのケースで学ぶ穴あけ加工

Raspberry Piのケースに穴をあけ、GPIOピンを外に出してみました。ケース加工にはどちらかというと、木工・金属DIYの知識が必要です。

電子工作の本は多くありますが、完成した回路をどのようにケースに入れたらいいのでしょうか。これを詳細に説明している本やサイトはほとんどなく、行き詰まってしまいました。こうしたらできるよ、という程度の情報はあるのですが、ほとんどの物が見栄えや丈夫さの面で実用に耐えられなさそうでした。それでも手探りでやってみましたが、納得の行くものはそう簡単にできなさそうです。私が目指すゴールはこの質感と感触です。

TEAC AI-501DA

TEAC AI-501DA

これはTEACのUSBアンプ AI-501DAです。格好いいですね・・・。この横方向の模様(ヘアライン加工)と、メーターのアナログ感。そして柔らかみのあるツマミ。こんな格好いいデザインなのに、メーカーのホームページに使われている写真ではそれらが伝わってきません。もったいないです。

実際にやってみて思ったのですが、ケース加工は電子工作の延長にはありません。どちらかというと、木工・金属DIYの知識が必要です。最初の投稿にも書きましたが、電子工作の愛好家には基板をむき出しのまま使用している人が多いように見えます。その理由は木工・金属DIYまで踏み込んでいないからでしょう。

秋葉原のお店でケースの選び方や、基板をケースに固定する方法について聞いてみたのですが、特にこれといった決まりはないと言われました。お店では部品と説明書がセットになった「キット」が多数販売されていますが、それらにはケースが付属していません。完成品を日用品として使うにはケース等で保護する必要があるでしょうが、どうすればいいのでしょう。好きなケースを選べるようにとの配慮なのか、電子工作愛好家にはケースを使う習慣がないのか、理由が知りたいものです。

秋葉原の多くのパーツ屋ではタカチというメーカーのケースを扱っています。試しにいくつか買ってみました。

タカチのケース

タカチのケース

特にケースのサイズは規格化されていないようです。基板のサイズにあったケースを自分で探しだす必要があるようです。もしくはケースのサイズにあった回路設計を行う必要があるようです。恐らく家電メーカーの技術者は後者の視点で考えさせられるでしょう。

ボタンや液晶画面などが回路にある場合は、ケースに穴を開ける必要があります。穴を開ける道具をいくつか挙げます。

私はProxxon (プロクソン)のフライス盤 No. 16000-Sを購入しました。

Proxxon フライス盤 No. 16000-S

Proxxon フライス盤 No. 16000-S

こんな大げさな物を買うとは、数ヶ月前までは思ってもいませんでした。そして、もう後戻りはできないと思いました(笑) 島忠で29,800円で販売されてましたが、その後39,800円に値上がりしてました。秋葉原には60,000円で販売している店もありました。どうやって値段を決めているんでしょうね。

フライス盤の長所は、加工物を手で保持しなくて済むので安全性が高い事と、狙った場所を正確に切削できること事です。短所は他の工具より値段が高いことと、置き場所が必要なことでしょう。

試しに木の切れ端を切削してみました。

木の切れ端を切削

木の切れ端を切削

30年を経てディグダグが復活するとは(笑)。

次にラズベリーのケースを加工しました。以前からGPIOコネクタをケースの外に出したいと思っていたのです。まずラズベリーのGPIOの真上にピンをはんだ付けしました。

GPIOコネクタ

GPIOコネクタ

次に切削したい場所に印をつけました (位置がかなりずれてしまいましたが)。そして台へ固定しました。

Raspberry Piケース固定

Raspberry Piケース固定

なんとかピンの真上に穴を空けました!表面の高さも完璧!

GPIOを外に出せるRaspberry Piケース

GPIOを外に出せるRaspberry Piケース

ここまで来るのに大変でした。初代ラズベリーとケースを壊してしまったので・・・。

初代ラズベリー

初代ラズベリー

初代はGPIOを横出ししており、ピンもオスだったのです。初代ははんだづけ後、電源LEDを点灯しなくなり、数回起動したものの電源が入らなくなりました。またケースの穴あけ位置が横だったため、ケースがうまく閉まらなくなりました。

ケース加工についての詳細は、次の記事「秋月電子 トライアック調光器(スピードコントローラー)の作成・考察とケース加工」に書きました。参考にしてみてください。

もし本記事に興味、ご関心があれば、ぜひ「ラズベリーと電子工作の記事一覧」を見てください。例えばこんな記事があります。

  • ド素人がRaspberry Piで電子工作を始める
    ラズベリーパイ財団が制作したたばこの箱サイズのパソコン「Raspberry Pi」は、私をパソコンから電気工学へ橋渡ししてくれる存在となりました。基盤やコネクタに群がるゾンビにしてしまったと言った方が正確かもしれませんが(笑)。
  • Raspberry Piで電子工作 その2
    電流、抵抗、電圧の意味がわからず、アキバのパーツ屋で買物すらできなかった私。勉強のためにお金をつぎ込んだ結果、だんだんと意味がわかってきました。
  • Raspberry Piでの電子工作にあたって購入した道具
    ラズベリーで電子工作を始めて4ヵ月が経ちました。勉強を進めるにあたり、本や電子パーツ、道具など、必要に応じて購入する必要がありました。今日は私がラズベリー以外に購入した道具を紹介します。

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